ヨーロッパ州の南部にある,バルカン半島南端と多くの島々からなる国。政治体制は共和制で,元首は大統領。首都:アテネ,面積:13.2万km2(2015年),人口:1116万(2017年)。言語:ギリシャ語(公用語),宗教:キリスト教(ギリシャ正教)など,民族:ギリシャ人など。
自然のようす
国土は山がちで,ピンドス山脈などによって分断されている。海岸はリアス海岸が連なり,エーゲ海には約3000の島々が散在する。最大の島はクレタ島。気候は大部分が地中海性気候に属し温暖だが,内陸の山岳地方は温暖湿潤気候に属し冬の寒さがきびしい。
あゆみ
アテネ・スパルタなどの都市国家(ポリス)が紀元前8世紀ごろまでに形成され,古代ギリシャ文明がさかえた。その後,ローマ帝国・ビザンツ帝国・オスマン帝国に支配され,1829年の独立後もヨーロッパの強国の干渉により政情は不安定だった。1974(昭和49)年に共和国となり,1981年にはヨーロッパ共同体(EC,現在のEUの前身)に加盟した。
産業のようす
地中海式農業によるオリーブ・ブドウ・オレンジ・麦類の栽培や,ヒツジ・ヤギなどの飼育が行われている。工業は鉄鋼業・造船業・石油化学工業などが行われている。海運業も発達している。古代ギリシャの遺跡や地中海の美しい島々など観光資源にめぐまれており,観光業が発達している。
経済のようす
2009(平成21)年,政権の交代により財政赤字の増大が明らかになり,財政危機が深刻化した。このため,ヨーロッパ連合(EU)による融資などを受け,財政の立て直しを進めている。
日本との貿易
ギリシャから日本への輸出:揮発油,綿花など。
ギリシャの日本からの輸入:貨物船,一般機械など。(2015年)
国名の由来
ラテン語の「グラエキア」とよばれたことに由来。
国旗の由来
青は青空とエーゲ海,白は純潔と平和を表す。9本の条は独立戦争が9年つづいたことから。青と白はもとギリシャ王家の紋章の色だった。