地震が発生したとき,大きなゆれが起きる前に,いち早くつたえる速報。早くつたわる縦波(P波)の初期微動をとらえ,あとからつたわる大きな横波のゆれ(S波)がやってくる前に知らせる。P波が秒速7km,S波が秒速4kmという伝達速度の時間差を利用したシステムで,2006(平成18)年8月から気象庁により業務が開始された。初期微動を感知すると,気象庁から病院,鉄道,放送局,消防に速報が出され,テレビ・ラジオ放送,防災無線で一般に知らされる。また2007年10月からは直接に専用端末機(機能付き携帯電話でも可能)でも速報を受信できるようになった。◇2007(平成19)年7月の新潟県中越沖地震では,震度6強を観測した長岡市で3秒前,長野県飯綱町では20秒前に速報が出た。ただし,P波とS波のつたわる時間差がほとんどない震源近くや内陸直下型地震には応用できない。⇒地震