晩秋から冬にかけて南天の低い位置に見える星座。大きな星座だが,明るい星がほとんど見られない星座である。クジラの心臓のところのο星はミラとよばれ,典型的な長周期変光星(周期332日)として有名である。したがって,肉眼で見えるくらい明るくなる時期と,肉眼では見えないような暗い時期がくり返される。
星座の探し方
10月中旬の0時ごろ,11月中旬の22時ごろ,12月中旬の20時ごろに,南の空に見えるようになる。
星座に関する神話
クジラといっても,手が生えた化け物クジラの姿を表したものである。母親である古代エチオピア王国の王妃カシオペヤが,海神ポセイドンの怒りを買ったために,娘のアンドロメダ王女は,ポセイドンが送りこんだ化け物クジラのいけにえにされることになった。しかし,アンドロメダが化け物クジラにひとのみにされそうになったとき,天馬ペガススにまたがったペルセウス王子が空からかけおりてきて,退治してきたばかりのメドゥーサの首を化け物クジラに突きつけた。化け物クジラはたちまち石となって海中に沈んでいき,アンドロメダは無事に助けられたとされる。