*くにきだどっぽ【国木田独歩】 (1871〜1908)明治(めいじ)時代の詩人・小説(しょうせつ)家。千葉(ちば)県に生まれる。東京専門(とうきょうせんもん)学校(今の早稲田(わせだ)大学)を中退(ちゅうたい)。新聞記者・教師(きょうし)などの職(しょく)をへて,日清戦争(にっしんせんそう)には国民新聞(こくみんしんぶん)の記者として従軍(じゅうぐん),弟にあてた形式の従軍(じゅうぐん)記事(後に『愛弟通信(あいていつうしん)』として刊行(かんこう))を連載(れんさい)して好評(こうひょう)を得(え)た。27歳(さい)のとき書いた『武蔵野(むさしの)』は,ツルゲーネフの影響(えいきょう)を受けた美しい作品で,自然と人間のかかわりがえがかれている。ほかに『春の鳥』『源をぢ(げんおじ)』『忘(わす)れえぬ人々』『牛肉と馬鈴薯(ばれいしょ)』『運命論者(うんめいろんじゃ)』などがある。自分自身をあからさまに記した日記『欺(あざむ)かざるの記』も有名。