深くて水温の低い湖にすむ淡水魚。かつて秋田県の田沢湖にだけ生息していた固有種。ヒメマスに似ているが体色は黒っぽく,産卵期は春。全長:約30cm。1940(昭和15)年,強酸性の玉川の水を農業用水・発電用水に利用するために田沢湖に流しこんだため,田沢湖に生息していた魚類はほとんど死んでしまい,このときクニマスも死滅したといわれている。環境省のレッドリストに指定された4種の絶滅種魚類の1つ。ただし,田沢湖での絶滅の数年前,放流用にクニマスの卵がいくつかの湖に運ばれた記録が残されており,わずかに生存している可能性が指摘されていたが,2010(平成22)年,山梨県の西湖で70年ぶりに生息が確認された。(硬骨魚類 サケ目 サケ科)⇒ヒメマス