2016(平成28)年4月に熊本県を中心に発生した一連の地震。4月14日,熊本県西部の熊本地方を震源とするマグニチュード6.5の大規模な地震が起こり,その2日後にはほぼ同じ地域を震源としてさらに巨大なマグニチュード7.3の地震が発生した。これらの地震によって,熊本県上益城郡益城町で九州地方初となる震度7を2度観測したほか,震度5弱を超える大きなゆれが各地で観測され,その後も東部の阿蘇地方や大分県でも強い地震が相次いだ。気象庁は14日の地震を前震,16日の地震を本震とした。一連の地震は活断層の横ずれによって起こった内陸型地震(直下型地震)で,前震は日奈久断層帯のずれによって起こり,それと連動するように2日後に布田川断層帯で本震が起こった。阿蘇地方や大分県で発生した地震も,これらの断層と関連して発生したと考えられている。一連の地震では,土砂崩れや建物の倒壊,関連死などによって150人を超える死者が出たほか,熊本城や阿蘇神社などの貴重な文化財も大きな被害を受けた。