くらたひゃくぞう【倉田百三】 (1891〜1943)大正時代から昭和時代初期(しょき)の劇(げき)作家・評論(ひょうろん)家。広島(ひろしま)県に生まれる。病気のため第一高等学校(今の東京(とうきょう)大学教養(きょうよう)学部の前身)を中退(ちゅうたい)。はじめ哲学(てつがく)者西田幾多郎(にしだきたろう)の影響(えいきょう)を受け,やがて長い闘病(とうびょう)生活のなかで宗教的(しゅうきょうてき)な人生観(かん)をもつようになり,文学に関心(かんしん)を向けた。代表作『出家(しゅっけ)とその弟子(でし)』は各国(かっこく)語に翻訳(ほんやく)され,ロマン=ロランにも激賞(げきしょう)された。そのほか,戯曲(ぎきょく)『俊寛(しゅんかん)』や評論(ひょうろん)集『愛(あい)と認識(にんしき)との出発』も多くの青年たちに愛読(あいどく)された。