グラックスきょうだい【グラックス兄弟】 古代ローマの共和政(きょうわせい)をたてなおそうとした政治(せいじ)家兄弟。兄チベリウス(紀元(きげん)前163〜前133)は,前133年に護民官(ごみんかん)となり,大土地所有を制限(せいげん)し自作農をふやす法案(ほうあん)を民会(みんかい)で通過(つうか)させたが,元老院(げんろういん)と対立して暗殺(あんさつ)された。弟ガイウス(前153〜前121)は,前123年に護民官(ごみんかん)となり,まずしい市民(しみん)に安い穀物(こくもつ)を供給(きょうきゅう)し,市民権(しみんけん)の拡大(かくだい)など兄にまさる改革(かいかく)を推進(すいしん)したが,元老院(げんろういん)をおこらせ自殺(じさつ)に追いこまれた。