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*けいじょうきおくごうきん【形状記憶合金】

ある温度で形をつくり,その温度より(ひくい温度で変形(へんけいさせてももとの温度ではじめの形にもどるという,形を記憶(きおくしている金属(きんぞく

形状記憶(けいじょうきおく合金の内部

形状記憶(けいじょうきおく合金で,針金状(はりがねじょうのもの,板(じょうのもの,ばね(じょう(コイル(じょう)のものなどをつくる過程(かていは,ふつうの金属(きんぞく・合金のときと,とくにかわりはない。温度の高い状態(じょうたい成形(せいけいする。この高温で成形(せいけいされた形が「記憶(きおく」されて,外力をくわえて変形(へんけいさせた後にもどる形となる。製造(せいぞう重要(じゅうようなのは,この高温で成形(せいけいした後急冷(きゅうれいすることである。急冷(きゅうれいする前は,内部はごくふつうの原子配列なのであるが,急冷(きゅうれいしたあとは特別(とくべつな原子配列(マルテンサイト相)になる。急冷(きゅうれいしてマルテンサイト相になったとき,「右へのずれ」と「左へのずれ」(せん断歪(だんゆがみ)が同時に発生して,全体としてはずれを打ち消しあってしまい,外見はかわらない。ここに外力をくわえると,たとえば右向きの力をくわえると,「右へのずれ」が優勢(ゆうせいになり,外見も右にずれた変形(へんけいになる。こうして,まっすぐな針金(はりがねは曲がってしまう。この変形(へんけいした状態(じょうたいのものの温度を上げると,そのエネルギーを一部利用(りようして,急冷(きゅうれいした後の状態(じょうたいにもどる。◇マルテンサイト相というのは,合金の中のある状態(じょうたいをいい,ドイツのアドルフ=マルテンスにちなんでつけた名である。

形状記憶(けいじょうきおく合金の種類(しゅるい

形状記憶(けいじょうきおく合金の代表は,ニッケルとチタンの合金である。ふつうニチノール(Nitinol)とよばれ,1964年に見つけられた。ニッケル,チタンの頭文字(NiとTi)と,これをつくった研究所の頭文字(NOL)を組みあわせてつくった語である。1970年代には,日本の研究者により,(どうとアルミニウムとニッケルの合金にも形状記憶(けいじょうきおく性質(せいしつがあることが見つけだされた。

形状記憶(けいじょうきおく合金の利用(りよう

形状記憶(けいじょうきおく合金の実用化は,接着(せっちゃくのむずかしい航空機(こうくうきのパイプの(ぎ手としての(れいがある。そのほか,温度が上がったときにはたらくスイッチや温室の(まど蝶番(ちょうつがい衣類(いるいなどに利用(りようされている。

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