*げんじものがたり【源氏物語】 平安時代中期,紫式部(むらさきしきぶ)が書いた世界最古(さいこ)の長編(ちょうへん)物語。11世紀初(せいきはじ)めごろ成立(せいりつ)。54帖(じょう)からなり,前編(ぜんぺん)44帖(じょう)は光源氏(ひかるげんじ)を主人公として,光源氏(ひかるげんじ)のはなやかな恋愛(れんあい)の数々をえがき,後編(こうへん)10帖(じょう)は光源氏(ひかるげんじ)の子薫大将(かおるのたいしょう)の暗い宿命をえがいている。◇そのころの宮廷(きゅうてい)のありさまや貴族(きぞく)のくらしぶりが,生き生きとえがかれているばかりでなく,紫式部(むらさきしきぶ)の深い人生観(かん)が物語の全編(ぜんぺん)にしみわたっていて,世界的(せかいてき)にもすぐれた文学となっている。