微小な物体を拡大して観察する装置。光学顕微鏡や電子顕微鏡がある。電子顕微鏡は光のかわりに電子線を使ったもので,光より波長が短いために分解能が高い。たんに顕微鏡というと,光学顕微鏡を意味することが多い。
顕微鏡の各部分の名称
目でのぞくレンズを接眼レンズ,観察するものと向かいあうレンズを対物レンズといい,2つのレンズの間にある筒の部分を鏡筒という。プレパラートをのせる台をステージといい,その裏にあって光量を調節する部分をしぼりという。反射光をとりいれる鏡を反射鏡という。ピント合わせは,鏡筒を上下させて行う機種と,ステージを上下させて行う機種とがある。
顕微鏡の原理
対物レンズによって微小な物体を拡大して実像をつくり,その実像を接眼レンズで拡大して,その虚像を観察する。したがって,全体の倍率(拡大率)は,対物レンズと接眼レンズの倍率の積で表される。
顕微鏡の使い方
直射日光のあたらない窓ぎわや光源の近くの水平な場所において使う。先に接眼レンズ,次に対物レンズをとりつけ,レンズをとりはずすときは逆の順とする。≪観察の手順≫(1)接眼レンズをのぞきながら反射鏡を動かし,視野が一様に明るくなるようにする。明るさはしぼりで調節する。(2)プレパラートをステージにのせ,観察するものが中央にくるようにしてクリップでおさえる。(3)真横から見ながら調節ねじを動かして,プレパラートと対物レンズをできるだけ近づける。(4)接眼レンズをのぞきながら,ゆっくりとプレパラートと対物レンズをはなしながらピントを合わせる。(5)反射鏡やしぼりを再度調節して,最もよく見える状態にする。最初は低倍率で観察し,倍率を上げるときは,見たい部分を中央にうつしてから,レボルバーをまわして対物レンズをかえる。◇顕微鏡の多くは,像の上下・左右とも実物と逆になっているので,プレパラートを動かすときは逆方向に動かす。
コーチ
双眼実体顕微鏡の場合は,像の上下左右は実物と同じになる。