緑色植物が光(太陽光)のエネルギーを用いて,二酸化炭素(CO2)と水(H2O)からデンプンなどの炭水化物(グルコースC6H12O6)を合成し,酸素(O2)を放出すること。
光合成と日光や葉緑体
ふ入りのアサガオの葉にアルミニウムはくをかぶせ,下の図のような実験をすると,日光があたらなかった部分と葉緑体がない部分にはデンプンができないことがわかる。このことから,光合成には光や葉緑体が必要なことが推察できる。
光合成と二酸化炭素
空気中の二酸化炭素を水酸化ナトリウム(ソーダ石灰)に吸収させた場所においた植物は,デンプンをつくらない。このことから,光合成には二酸化炭素が必要なことがわかる。
光合成と水
鉢植えの植物に水だけをあたえても生育し,土の重量はほとんど減少しない。根が吸収した水は太陽光のエネルギーによって水素と酸素に分解され,この水素が光合成に使われることがわかってきた。このときあまった酸素は体外に放出されるが,一部は呼吸に使われる。
光の強さと光合成量
光があたらないと,植物は光合成は行わない。光が少しずつ強くなってくると,それに応じて光合成はさかんになり,酸素の放出量やつくりだされる炭水化物の量も多くなる。しかし,光の強さがある限界をこえると,それ以上光を強くしても,光合成の量はかわらなくなる。
コーチ
植物が酸素も二酸化炭素も放出しないとき,つまり,見かけの光合成量が0になるときの明るさを補償点といい,これは植物の種類によって異なる。
二酸化炭素濃度と光合成量
光の強さが一定なら,二酸化炭素濃度が高いほど光合成はさかんになる。しかし,二酸化炭素濃度が一定以上になると,それ以上濃度を高くしても,光合成はさかんにならない。
光合成と呼吸
光合成は二酸化炭素を吸収して酸素を放出し,呼吸は酸素を吸収して二酸化炭素を放出する。つまり,この2つの作用は正反対である。植物はつねに呼吸を行っており,明るいときには光合成も行う。全体としては,呼吸によって消費される酸素や放出される二酸化炭素の量よりも,光合成によって放出される酸素や消費される二酸化炭素の量のほうが多い。
コーチ
植物による光合成とは別に動物の呼吸によって,酸素が消費され,二酸化炭素が放出されるので,大気中の酸素や二酸化炭素量は,ほぼ一定にたもたれている。