県名の由来:土佐藩主となった山内一豊が,河川にはさまれた大高坂山に城をきずき,河内山城と名づけたのが,高知のおこりとされる。土佐藩は高知藩ともよばれた。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸〕
○土佐和紙
〔祭り〕
○よさこい祭(高知市,8月9〜12日)
位置・地形・気候
高知県は四国の南部,南は太平洋に面し,北は東西にのびる四国山地を境にして北東部は徳島県,北西部は愛媛県と接している。川は,ほとんどが四国山地の深い谷をつくって南に流れ,土佐湾に注いでいる。
山が海岸にせまっているので,平野は少なく,西部の四万十川下流に開ける中村平野,中央部の仁淀川・物部川下流に開ける高知平野があるくらいで,平地の割合は約7%しかない。
気候は,土佐沖を流れる暖流の黒潮の影響で,1年中あたたかい。太平洋側の気候で,冬に晴れの日が多く,日照時間も長い。しかし,梅雨の期間は長く,台風の通り道にもなっているため,夏の降水量は多い。
歴史
昔は土佐国といった。都から遠いため,奈良時代には,遠流(島流し)の地とされた。南北朝時代以降,土佐には7氏の豪族がならび立っていたが,戦国時代には,そのなかの長宗我部氏が土佐を統一した。
江戸時代には,土佐藩がおかれ,外様大名の山内氏が統治,新田開発や茶の栽培,和紙の製造なども行われた。江戸時代末期から明治維新のころには,坂本龍馬や中岡慎太郎らがでて,活躍した。
明治になって,何回か県域の変更があったが,1880(明治13)年に現在の高知県が成立した。
産業
平地がたいへん少ないため,耕地率はわずか4.0%(2010年)で,東京都を下まわり,全国で最も低い。しかし,農業は,あたたかい気候を利用した施設園芸を中心にたいへんさかんで,ナス・ピーマン・キュウリなどの生産が多い。7月中に収穫,出荷される超早場米の生産もさかんである。
水産業では,土佐清水港や室戸港などを基地とした,カツオ・マグロ漁が昔からさかんで,その漁獲量は,マグロは全国4位,カツオは4位である(2009年)。須崎湾や宿毛湾などではタイやブリ類の養殖が行われている。
工業は,地元の資源を生かしたセメント,木材・木製品,食料品工業などがあるが,規模は大きくない。高知新港,須崎港,宿毛湾港では,工業団地がつくられている。
季節をとわない野菜栽培
気候が温暖で雨が多いうえ,日照時間が長いという好条件にめぐまれて,高知県では,古くから,油障子などを使った野菜の促成栽培が行われていた。とくに1960年代以降,それまで行われていた米の二期作にかわって,ビニルハウスなどによる野菜の施設栽培が大きく発展した。高速道路の整備やフェリーの就航など交通の発達によって,京阪神や京浜などの大消費地への出荷が可能になったことも発展の理由である。
土佐湾岸に面した高知市から南国市にかけての海岸ぞいには,ビニルハウス群がずらりとならぶ。ハウスでは,冬から春にかけては促成栽培で,秋には抑制栽培で夏野菜をつくる。さらに露地栽培も行われる。こうして,ほぼ一年中夏野菜の出荷がつづくのである。
おもな野菜は,ナス・ピーマン・キュウリの3つで,ナスの生産量は全国2位,ピーマンは3位,キュウリは7位である。このほか,露地栽培が中心のオクラは全国2位である(2010年,オクラは2008年)。