原子力発電所の事故や放射能もれのトラブルなどの深刻さを一般に示すためにつくられたレベル評価。イネス(INES)の略称でも用いられる。1992年,IAEA(国際原子力機関)とOECD(経済協力開発機構)の原子力機関が策定。原子力発電所のトラブルを,レベル0からレベル3までの「異常な事象」,レベル4からレベル7までの「事故」に分け,それぞれの基準を示している。たとえば1999年の茨城県東海村のJCO事業所での臨界事故はレベル4の「所外への大きなリスクをともなわない事故」,1979年のアメリカ・スリーマイル島の原発事故はレベル5の「所外へのリスクをともなう事故」,レベル6が「大事故」,そして,1986年のチョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故と2011年の日本の福島第一原子力発電所の事故がレベル7の「深刻な事故」。レベル7の基準は放射性物質の重大な外部放出で,ヨウ素131等価で数万テラベクレル(TBq)以上。⇒IAEA(国際原子力機関),臨界事故,チョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故,ベクレル