ハーグ国際私法会議で締結された40あまりあるハーグ条約の1つで,国際結婚をした夫婦などの離婚・不和の場合に親の片方が勝手に子どもを自分の国に連れ去ることがしばしば起こるが,その子どもをもとの定住地にもどすことを義務づけた条約。1980年10月署名,83年12月発効。この条約は親権の調停を定めるものではなく,あくまでも子どもの定住国での権限を有効とするもので,16歳未満の子どもを対象とし,子どもの意思によっては帰国を選ばない決定がくだされることも認めている。ただし,世界各国で家族についての価値観や家族に関する法律の違いがあるため,アジア・アフリカ諸国のほとんどは条約未加盟。⇒ハーグ条約 ⇒親権