ござん【五山】 ときの政府によりきめられた格(かく)の高い禅宗(ぜんしゅう)寺院。日本では鎌倉(かまくら)(鎌倉(かまくら)時代)と京都(室町(むろまち)時代)にそれぞれもうけられた。中国(南宋(なんそう))の制度(せいど)をとりいれたもので,いくどか変更(へんこう)があったが,1336年に京都(きょうと)五山・鎌倉(かまくら)五山の制(せい)として定まった。京都(きょうと)五山とその順位(じゅんい)は南禅寺(なんぜんじ)を五山の上位(じょうい)として,天龍(てんりゅう)・相国(しょうこく)・建仁(けんにん)・東福(とうふく)・万寿(まんじゅ)の各寺。鎌倉(かまくら)五山は,建長(けんちょう)・円覚(えんがく)・寿福(じゅふく)・浄智(じょうち)・浄妙(じょうみょう)の各寺の順(じゅん)。◇幕府(ばくふ)の保護(ほご)をうけた五山には,すぐれた学僧(がくそう)が集まり,五山文学を生みだすなど文化の中心となった。