かつてのセルビア共和国の自治州で,2008年2月17日,独立宣言をした国。もともとコソボは中世セルビア王国の中心地だったが,14世紀にトルコの支配を受け,人口の90%を占めるアルバニア系住民はイスラム教徒。この地がセルビア正教会の聖地でありセルビア民族の発祥地とされるため,セルビア人住民やセルビア共和国との民族的対立は根深く,1990年代後半には民族紛争が激化,1999年にはNATO(北大西洋条約機構)軍の空爆にまで発展している。停戦後は国連コソボ暫定行政支援団が紛争処理,行政援助を行ってきていたが,2008年1月の新政権発足により独立への動きが急速に進み,EU(欧州連合)による監督のもとの「独立」となった。ただし,2008年3月現在,アメリカやEU加盟の過半数の国ぐにはコソボ独立を承認しているが,セルビアやロシア,EUの数か国は独立反対の姿勢をくずしておらず,国連加盟についても承認されていない。コソボの面積は約1万km2,人口約180万,元首は大統領。首都:プリシュティナ。国旗は青地に黄色のコソボの地形と6つの白い星で6民族を表したもの。基幹産業はなく,1人あたりの国内総生産(GDP)はEU最低水準のブルガリアの3分の1で,経済は外国での出稼ぎ労働者の送金にたよる部分が大きい。