(1931〜2011)昭和・平成時代の小説家。大阪府生まれ。京都大学在学中に高橋和巳らと交友,この時期,漫画雑誌に漫画を発表したり日本共産党に入党して活動も行っていた。1954(昭和29)年に大学を卒業。経済誌記者,町工場工場長などの仕事ののち放送作家となる。62年,創刊間もない早川書房の『SFマガジン』の第1回空想科学小説コンテストに「地には平和を」が入選,SF作家としてのスタートを切った。「人類と文明」をテーマに次々とSF小説を発表し,星新一,筒井康隆らとともに日本のSF小説の草創期をになう代表的な作家となった。1973年刊行の『日本沈没』は大ベストセラーになり映画化もされている。作品数はぼう大で,SF以外にも歴史小説,中間小説,ミステリー,ホラーなど幅広いジャンルでも創作活動を行っている。日本SF作家クラブ会長,国際SFシンポジウムの主宰,70年の大阪万博や90年の国際花と緑の博覧会のプロデューサーをつとめるなど執筆以外でも活躍した。代表作に『日本アパッチ族』『復活の日』『エスパイ』『果しなき流れの果に』『首都消失』『さよならジュピター』などがある。⇒SF