(1916〜2012)昭和〜平成時代の出版人・編集者。長野県生まれ。酒造業を営んでいた両親の死亡,破産,一家離散という境遇のなか,小学5年生で上京。小学校卒業後,銀行の給仕などをしながら夜間中学校で学び,1939(昭和14)年,東京商科大学(一橋大学)を卒業。40年入営。アッツ島などアリューシャン列島の戦線に従軍する。第二次世界大戦終結後,47年,出版社・理論社を設立し,雑誌「理論」の発行など社会科学の分野を中心に出版活動を開始した。「創意と冒険」を理念に,1960年代から児童文学の分野も開拓,今江祥智,灰谷健次郎らの児童文学者を世に送りだした功績は大きい。90年代以降は社長職をゆずり,故郷・長野にもどって執筆活動などを続けた。著書に自伝的小説『千曲川』4部作(1998〜2002年)がある。