(1868〜1936)ロシアおよび旧ソ連の小説家・劇作家。おさないときに両親をうしない,苦しい生活を送った。いろいろな職業を転々として各地を放浪したあと文筆活動に入り,『マカール=チュードラ』『チェルカッシュ』『海燕の歌』のほか,世界的に有名な戯曲『どん底』などを書いた。1906年に,社会主義リアリズム(社会主義発展の立場から真実をほり下げ,人間をえがこうとする文学)の傑作とされる『母』で,レーニンの絶賛を受けた。革命後のソビエト文学界の中心人物として,プロレタリア作家の養成,ソビエト作家同盟の結成などにも尽力。自伝3部作として『幼年時代』『人々の中で』『私の大学』がある。