アメリカで,2013年に起きる可能性のある,経済の危機的状況をたとえていう言葉。ブッシュ前大統領が行った大幅減税の期限が2012年末で終わり,2011年8月に民主・共和両党で合意した政府支出の大幅削減が2013年1月1日にはじまることにより,単年度合計約6000億ドルという史上最大の増税と財政支出削減が同時に起きる。これはアメリカ経済のみならず世界経済に深刻な影響をおよぼすことになる。13年1月1日,オバマ大統領は野党共和党とぎりぎりのところで減税の部分延長と支出削減の期限延長で合意し危機を回避したが,3月には支出削減の延長期限は切れ,さらに同じころに連邦政府の債務が定められた上限に達するという,ふたたびの「崖」がやってくることになる。