*さきもりのうた【防人の歌】 防人(さきもり)のよんだ歌。『万葉集(まんようしゅう)』に多くおさめられている。防人(さきもり)となり,家族とはなれて遠く北九州に派遣(はけん)された人たちの感情(かんじょう)が,ふるさとの東国方言で率直(そっちょく)にのべられ,とくに親子・夫婦(ふうふ)の別(わか)れの悲しみをうたったものが多い。◇「父母(ちちはは)が頭(かしら)かき撫(な)で幸(さ)くあれていひ(い)し言葉(ことば)ぜ忘(わす)れかねつる」(丈部稲麿(はつかべのいなまろ)),「防人(さきもり)に発(た)たむ騒(んさわ)きに家の妹(いも)が なるべき事を言は(わ)ず来ぬかも」(若舎人部広足(わかとねりべのひろたり))