(1928〜2013)昭和・平成時代の推理小説作家・評論家。東京都生まれ。本名丸山一郎。旧制一高をへて東京大学を卒業。高校・大学時代に純文学の同人雑誌で活動。1953(昭和28)年,読売新聞社入社。記者活動のかたわら執筆活動を開始,58年,雑誌のコンクールで推理短編小説が入選し,作家デビュー。59年,退社し,専業作家生活に入る。同年,処女長編「一本の鉛」を発表,64年の「華麗なる醜聞」で日本推理作家協会賞を受賞。社会性とひねりのきいたプロット,知的遊戯としてのミステリーを持ち味として,長短さまざまな作品を発表,とくに短編の名手といわれた。1973(昭和48)年から2012(平成24)年まで雑誌連載された「推理日記」は推理小説の時評として,推理小説界や後進の作家に大きな指針となった。97年には長年の貢献に対して日本ミステリー文学大賞が贈られた。代表作に『轢き逃げ』(70年)『事件の年輪』(2004年)などがある。