(1919〜2010)アメリカ合衆国の小説家。ニューヨーク生まれ。父は会社を経営する裕福なポーランド系ユダヤ人だった。学校の成績はあまりよくなく,一時は家業をつぐためにヨーロッパに修業に出る。帰国後,大学を転々とするが,コロンビア大学の聴講生だった1940年に創作講座の講師の主宰する文芸雑誌に小説を発表して評価される。42年,志願して第二次世界大戦に従軍。1951年に発表した,少年の自己の確立と大人社会に対するとまどいを描いた『ライ麦畑でつかまえて』が大評判になり,2007年までに世界で6000万部を売るベストセラーになったが,作品の評価には賛否両論がある。1965年に小説を発表したのちは完全に創作を中止し,世間との関係を絶って人前にも現れず,なぞと伝説につつまれたまま,2010年,老衰で死亡。