サル目は,原始的なサルのキツネザル亜目とサル亜目に大きく分けられる。また,サル亜目も,中南米に分布する広鼻猿類と,アジア・アフリカに分布する狭鼻猿類に分けられる。ニホンザルは最も北に分布する北限のサルである。
〔ニホンザルの社会〕
ニホンザルの
群れは,中心部と
周縁部という,2つの
層からなりたっている。このような
群れのしくみを,
同心円的構造という。中心部はリーダーとめすと子ども,
周縁部はわかいおすからなっている。このような
構造は,えさ場でえさをまいたときなどに見られるが,いつも同心円
状の形をたもったまま行動しているわけではない。
群れにはリーダーがいる。リーダーは
原則としておとなのおすで,1つの
群れに2〜3頭いることが多い。リーダーは
群れのまとめ役で,けんかの
仲裁,
敵から
群れをまもるなどの役めをもつ。ニホンザルの社会の
秩序は,リーダー
制のほかに,
順位制・
血縁制という3つの原理によってささえられていると考えられる。