(1905〜1980)フランスの哲学者・作家。1938年小説『嘔吐』でデビューし,以後『存在と無』で哲学者として,『蠅』『出口なし』『汚れた手』で劇作家として有名になった。「人間とはかれが自らつくるもの以外のなにものでもない」「実存は本質に先立つ」など,人間の絶対の自由と責任を追いもとめる実存主義の提唱者として,現代の文学・思想界に大きな影響をあたえた。◇第二次世界大戦に出征し,ドイツ軍の捕虜となったが,脱走して抵抗運動に参加した経験もある。1964年,ノーベル文学賞の受賞を拒否して波紋を投げた。