さんかしゅう【山家集】 鎌倉(かまくら)時代につくられた西行(さいぎょう)の家集(いえのしゅう)(個人(こじん)の歌集)。成立(せいりつ)年代・編者(へんじゃ)ともはっきりしないが,西行(さいぎょう)の歌約(やく)1600首がおさめられている。率直(そっちょく)で平明な歌風によって,自然(しぜん)や人間をうたい,後世の人たちに深い影響(えいきょう)をあたえている。◇『山家集(さんかしゅう)』には「心なき身にもあは(わ)れは知られけり 鴫(しぎ)たつ沢(さわ)の秋の夕暮(ゆうぐれ)」「吉野山(よしのやま)やがて出(い)でじと思ふ(う)身を花散(ち)りなばと人や待つらむ(ん)」などがおさめられている。