サン=シモン (1760〜1825)フランスの社会思想家。名門貴族(きぞく)の出身。アメリカの独立戦争(どくりつせんそう)に義勇兵(ぎゆうへい)として参加(さんか)。フランス革命(かくめい)の初期(しょき)にはこれを支持(しじ)したが,恐怖政治(きょうふせいじ)の出現(しゅつげん)で革命(かくめい)に失望(しつぼう)。実証主義的(じっしょうしゅぎてき)な立場から社会の再組織(さいそしき)を考え,国家が廃止(はいし)され,各個人(かくこじん)の能力(のうりょく)が社会的(しゃかいてき)に解放(かいほう)されるような新社会の実現(じつげん)を説(と)いた。◇その思想は,空想的(くうそうてき)社会主義(しゅぎ)とよばれたが,無政府主義(むせいふしゅぎ)・マルクス主義(しゅぎ)など,後代の代表的(だいひょうてき)思想にあたえた影響(えいきょう)は大きい。