シーアは【シーア派】

全世界(ぜんせかい）のイスラム教徒(きょうと）の1割程度(わりていど）を占(し）め，“アリー（第(だい）4代目(だいめ）カリフ）の党派(とうは）”として分派(ぶんぱ）したイスラム教(きょう）の宗派(しゅうは）。イラン（ペルシャ）系(けい）の人々(ひとびと）を中心(ちゅうしん）に結成(けっせい）され，預言者(よげんしゃ）ムハンマドの血筋(ちすじ）を継承(けいしょう）する人々(ひとびと）のみを指導者(しどうしゃ）（イマーム）として仰(あお）ぐ。スンナ派(は）の歴代(れきだい）3正統(せいとう）カリフを認(みと）めず，第(だい）4代目(だいめ）カリフのアリーのみは，預言者(よげんしゃ）ムハンマドの従兄弟(いとこ）で娘婿(むすめむこ）でもあることからカリフとして認定(にんてい）する。さらにイマームの選定(せんてい）の見解(けんかい）の違(ちが）いから分派(ぶんぱ）を繰(く）り返(かえ）して，12イマーム派(は），イスマイール派(は）などに分(わ）かれた。現在(げんざい），シーア派(は）はイランからイラク南部(なんぶ）を中心(ちゅうしん）に信徒(しんと）が集中(しゅうちゅう）している。◇シリアのアサド大統領(だいとうりょう）の出身母体(しゅっしんぼたい）であるアラウィー派(は）もシーア派(は）であり，シリア人口(じんこう）の1割(わり）を占(し）めるに過(す）ぎないが，大部分(だいぶぶん）のスンナ派国民(はこくみん）の上(うえ）に君臨(くんりん）し続(つづ）けて，現在(げんざい）のシリア内戦(ないせん）を複雑化(ふくざつか）させた要因(よういん）となっている。