全国瞬時警報システム。大規模自然災害や弾道ミサイルなどの武力攻撃など,対処に時間のない緊急事態を,通信衛星と市町村防災無線を通して,国から地方自治体,住民にまで瞬時に伝達しようという警報システム。2004(平成16)年度から総務省消防庁が開発を開始,実証実験をへて,2007年から一部の地方自治体で運用をはじめ,2012年4月現在,ほぼすべての市町村に整備されている。まず,自然災害・緊急気象情報は気象庁,武力攻撃などについては内閣官房が覚知し,ともに緊急情報を気象庁に伝達,気象庁は通信衛星を使って緊急事態を各地方自治体に伝達,市町村では防災行政無線が自動起動され住民に緊急事態が伝達されるしくみになっている。しかし,実証実験段階から誤作動による誤報の問題が指摘されている。なお,同様の緊急事態警報システムとして,首相官邸の危機管理センターからコンピュータネットワークを通して全国の自治体に情報を伝える「Em-Net(エムネット)」というシステムも存在する。◇2012年4月,北朝鮮による人工衛星打ち上げと称する長距離弾道ミサイルの発射にさいして,Jアラートが使用される予定であったが内閣官房の判断で見送られた。