しぜんしゅぎ【自然主義】 19世紀(せいき)後半に広がった文学・芸術(げいじゅつ)の思想と創作態度(そうさくたいど)のこと。自然(しぜん)科学の発達(はったつ)や社会の矛盾(むじゅん)の増大(ぞうだい)に刺激(しげき)されておこったもので,現実(げんじつ)を理想化せず,社会・人間・自然(しぜん)をみにくいものもふくめて,ありのままにえがこうとした。フランスを中心におこり,ゾラ・フロベール・モーパッサンなどが代表。◇日本では日露戦争(にちろせんそう)(1904〜05年)ごろから明治(めいじ)時代の末(すえ)ごろまでさかんで,島崎藤村(しまざきとうそん)・田山花袋(たやまかたい)・国木田独歩(くにきだどっぽ)・正宗白鳥(まさむねはくちょう)らに代表される。