しぶぞめいっき【渋染一揆】 幕末(ばくまつ)に,岡山藩(おかやまはん)の被差別民(ひさべつみん)がおこした一揆(いっき)。財政難(ざいせいなん)に苦しむ同藩(はん)が領内(りょうない)に倹約(けんやく)を命じたさい,1855年,被差別民(ひさべつみん)に対して「紋(もん)をつけない渋染(しぶぞ)めまたは藍染(あいぞ)めの着物以外(きものいがい)は着用まかりならぬ」などの通達(つうたつ)をして,差別(さべつ)の強化をはかった。このため,これに抗議(こうぎ)した被差別民(ひさべつみん)数千人が翌(よく)1856年,強訴(ごうそ)におしかけ,この法令(ほうれい)を空文(何の役にもたたない文章)に等しくさせて,その実力を示(しめ)した。