植物には,種類によってさまざまな育ち方がある。
〔発芽と成長〕
植物の
種子の
胚が,
種皮をやぶって外に出ることを
発芽という。植物の
種子は,そのままでは
発芽できないことが多く,じゅうぶんな水と
酸素,
適度な温度が
必要である。地中に出た
胚の,
幼根は根に
成長し,
幼芽は
茎と葉に
成長する。多くの植物の根には光と反対方向にのびる
性質(
背光性)があり,葉や
茎には光の方向にのびる
性質(
向光性)がある。
〔根と葉〕
根は,土の中にふくまれる水分や,
養分となる
無機物をとり入れる
働きをもつ。葉は,根からとり入れた水分や
気孔から
吸収した
二酸化炭素を
利用して
光合成を行い,有機物(
炭水化物)をつくる。また,
生成した
酸素と
余分な水分を
気孔から
排出させる役めなどももつ。
被子植物のうち,
双子葉類は根が太い
主根と細い
側根に分かれており,
葉脈が
網目状(
網状脈)になっているのに対し,
単子葉類は根が細いひげのように集まったひげ根になっており,
葉脈が平行(平行
脈)になっているという
特徴がある。
〔花と種子〕
種子植物が,
子孫をのこすための
生殖器官が花である。
花粉が風や虫などに運ばれ,めしべにつくことを
受粉という。
被子植物のめしべの根元に
子房とよばれる部分があり,
胚珠をつつみこんでいる。
受粉すると,
子房は
成熟して
果実になり,
胚珠は
種子になる。
裸子植物の花は
子房をもたず,
胚珠(
種子)がはだかで
直接空気に
接しているものや,
球果の形で
胚珠(
種子)を保護している。
〔種子以外による繁殖〕
植物は,
種子以外にも球根などで
栄養生殖を行い,
子孫をのこすことが知られている。球根には,
地下茎がふくらんでできた
球茎や
根茎,
地下茎が
枝分かれしてできた
塊茎,根の一部が
変化した
塊根,地下の葉がうろこのように重なってできたりん
茎などがある。