光の異常屈折現象の1つで,遠方のものがうき上がったり,さかさに見えたりする現象。地面または海面付近の空気が強く熱せられ,またはひやされることによって,空気の密度が高さとともに急に変化している場合に,光の屈折や全反射がおこり,物体がない所に物体があるように見える。◇原因のちがいによって,次のような場合がある。
(1)地面が異常に熱せられ,遠方に水面があるように見えたり(にげ水ともいう),遠方の景色が見えたりする。
(2)海面の温度が空気の温度にくらべていちじるしく低いとき,遠方の船などが上下倒立し重なったように見える。
(3)水平方向に温度差がある場合,遠方の山や船が左右2つにならんで見える。