じんこうき【塵劫記】 江戸(えど)時代初期(しょき),1627年に吉田光由(よしだみつよし)があらわした数学書。中国の『算法統宗(さんぽうとうそう)』を手本に,大きな数や小さな数の名称(めいしょう),そろばんによる数の乗法(じょうほう)・除法(じょほう),開平法(かいへいほう),幾何(きか)などの説明(せつめい)のほか,多くの実用的(じつようてき)な問題や数学遊びの問題を図入りでとりあげている。以降(いこう),江戸(えど)中期まで,多くの和算(わさん)家が追筆(ついひつ)・増版(ぞうはん)を重ね,数学書の代名詞(だいめいし)ともなった。