合成装置の意味で,音楽分野では,電子工学の技術で音楽をつくりだす装置をいう。大規模な音楽制作用装置として考えだされたミュージック=シンセサイザーは,楽音の合成のほか,雑音・人間や動物の声,非現実的な想像の音など,あらゆる音を電子的につくりだすことを目的として開発された。これには,多重録音できるテープレコーダが装備されたものもある。さらにこの装置にけん盤をつけ,小型化し,操作性を重視したのが演奏型ミュージック=シンセサイザーである。◇このようにシンセサイザーが身近な楽器として登場し,他の楽器とのアンサンブルによってつくられた音楽の世界は,見ちがえるほどの多様性を発揮した。また,作曲・編曲の分野においても,従来では考えられなかった幅広い多彩な表現が可能になった。