中華人民共和国の通貨(中国人民銀行幣)。紙幣上の表記は「圓(=円,ユァン)」,通貨記号は¥。補助単位は,1元(ユアン)=10角=100分。人民元は2005年まで1ドル=8.28元前後という事実上の対ドル固定相場制であったが,中国の経済発展にともなう安い製品の大量輸出にさらされたアメリカや日本,ヨーロッパ諸国から割安すぎる人民元の切り上げの要求が強まっていた。それをうけて2005年7月,中国人民銀行は対ドル為替レートの2%切り上げと,管理フロート制(通貨当局が市場介入を行う管理された変動相場制)への移行を発表,2008年の世界金融危機で一時期,固定相場になったこともあったが,2010年6月,「弾力的相場を高める方針」として,ゆるやかな切り上げと管理フロート制に移行した。固定相場制為替レート変動相場制