世界全体を表すような地図。
〔地図の5つの条件〕
(1)
方位,
(2)角,
(3)
面積,
(4)
距離,
(5)
陸地や海洋の形が
実際と同じように正しく表されていること
が,
欠かせない
条件である。
〔世界地図は使い分けが必要〕
地形図のようにせまい
範囲の土地のようすを地図にかきあらわす場合は,地図の5つの
条件をほぼ
満たすことができるから,読図にあまり問題はない。しかし,世界地図のように広い
範囲を表す地図は,どうしても地図にひずみができる。たとえば,ミカンの皮をむいて,その皮を平らな一つづきのものにしようとしても,どこかにゆがみや切れめをつくらなければ,それは
不可能である。これと同じように,球面である地球の表面を,そのまま正しく平面である地図に表すことは
不可能である。つまり,地図の5つの
条件を同時に正しく
表現した世界地図はつくれない。そこで,地図の
条件のうちいくつかを
正確に
表現する世界地図のかき方(
図法)が工夫されてきた。したがって,世界地図を正しく
利用するためには,それぞれの
図法の
特色をよく知り,
用途に
応じて使い分けることがたいせつである。
〔4つの図法〕
世界地図は,
図法により,
(1)地図上での角の大きさを正しくはかることのできる正角
図法,
(2)地図上のある定められた地点から他の地点までの
距離を正しくはかることのできる
正距方位図法,
(3)地図の上に
面積を正しく表すことのできる
正積図法,
(4)その他の
図法に大きく分けられる。