祖父母や親,親戚などのあとを継いで,国会議員になった,いわゆる2世,3世議員のことをさす言葉。世襲とは,伝統芸能の世界や商家・同族企業などでは,芸や技術を受け継ぎ,財産を相続するために慣習的に行われている制度だが,もちろん選挙で選ばれる国会議員にそうした制度があるわけではない。しかし,親の引退や死亡によって,選挙区の地盤,政治団体,支援団体をそのまま受け継ぎ,国会議員に当選する子が多いのが現状である。地元選挙民にとっても,なじみの,地元に利益をもたらしてくれる親子として支持する場合も多い。また,秘書などをして親の政治手法を学び,人間関係を共有していることなどから,政治の世界に入りやすいということもある。こうした世襲による地元利益誘導型の古い政治体質を批判する声も大きく,国会議員の世襲の禁止・制限を提言する政党も出てきている。