＊せんごくだいみょう【戦国大名】

戦国(せんごく）時代（室町(むろまち）時代の後半）に各地(かくち）に生まれ，自分の実力によって領国(りょうごく）を支配(しはい）した大名。

〔戦国(せんごく）大名の誕生(たんじょう）〕

 応仁(おうにん）の乱(らん）後，約(やく）1世紀(せいき）にわたって，下剋上(げこくじょう）の戦乱(せんらん）の世がつづき，守護(しゅご）大名に代わって戦国(せんごく）大名が誕生(たんじょう）した。戦国(せんごく）大名には，北条早雲(ほうじょうそううん）・上杉謙信(うえすぎけんしん）・毛利元就(もうりもとなり）らのように，実力のある家臣(かしん）や地侍(じざむらい）が守護(しゅご）大名をたおして戦国(せんごく）大名になった者と，武田信玄(たけだしんげん）・今川義元(いまがわよしもと）らのように，実力ある守護(しゅご）大名が戦国(せんごく）大名になった者とがある。

〔戦国(せんごく）大名の政治(せいじ）〕

 戦国(せんごく）大名は全国統一(とういつ）をめざして，たがいに武力(ぶりょく）であらそった。領国(りょうごく）内の地侍(じざむらい）や名主(みょうしゅ）を家臣(かしん）にとりたてて家臣団(かしんだん）を強化し，領国(りょうごく）内の荘園(しょうえん）領主(りょうしゅ）の支配(しはい）をみとめず，検地(けんち）をくりかえして，土地と農民(のうみん）を直接支配(ちょくせつしはい）した。治水(ちすい）・かんがいなどにつとめて新田の開発もはかり，年貢(ねんぐ）をふやそうとした。また，佐渡(さど）（新潟(にいがた）県）や甲斐(かい）（山梨(やまなし）県）の金山，石見(いわみ）（島根(しまね）県）の銀山など，鉱山(こうざん）の開発にもつとめた。城(しろ）をきずき，城下町(じょうかまち）（北条氏(ほうじょうし）の小田原(おだわら），武田氏(たけだし）の甲府(こうふ）など）をつくって，家臣(かしん）や商工業者を集め，交通と物資(ぶっし）の流通をさかんにさせた。

コーチ

 領国(りょうごく）の家臣団(かしんだん）や農民(のうみん）を統制(とうせい）するため，分国法(ぶんこくほう）（家法(かほう））を定めて，違反(いはん）者をきびしく罰(ばっ）した。