ぜんていきかん【前庭器官】 脊椎(せきつい)動物の耳の一部にあって平衡感覚(へいこうかんかく)をつかさどる器官(きかん)。ヒトでは内耳の迷路(めいろ)の一部にある,卵円(らんえん)のう(小のう)および正円のう(通のう)がこれである。どちらもふくろ状(じょう)の器官(きかん)で,卵円(らんえん)のうでは水平面上,正円のうでは垂直(すいちょく)面上に,毛をもった感覚細胞(かんかくさいぼう)がならんでいる。その毛の上に聴砂(ちょうさ)(耳砂(じさ))という平衡(へいこう)石があり,重力によって左右されるその動きによって,体のかたむきを感じるしくみになっている。