ソクラテス (紀元(きげん)前469〜前399)古代ギリシャの哲学(てつがく)者。民主政治(みんしゅせいじ)がさかんなアテネでは弁論(べんろん)にたくみなソフィスト(知恵(ちえ)者)がもてはやされたが,かれは市民(しみん)に「汝(なんじ)自身を知れ」と説(と)いた。ソクラテスは,人間の本質(ほんしつ)を知ってこそ知恵(ちえ)と幸福を得(え)ると,問答をとおして教えたが,市民(しみん)に誤解(ごかい)され死刑(しけい)を宣告(せんこく)された。友人らが逃亡(とうぼう)をすすめると,悪法(あくほう)にもしたがうのが市民(しみん)の義務(ぎむ)だとして毒(どく)を飲んで死んだ。◇弟子プラトンが『ソクラテスの弁明(べんめい)』などでつたえている。