15世紀から16世紀にかけ,スペイン・ポルトガルを主としたヨーロッパ勢力が,大規模な探検航海を行った時代。
〔背景〕
イスラム教
徒とたたかって
建国したポルトガルとスペインは,海外
発展に力をいれた。それは,東方にあるはずの
未知のキリスト教国と
協力してイスラム教
徒を
攻めるためと,イタリア商人が
独占していた東方
貿易の
富を
得るためだった。
コーチ
マルコ=ポーロがつたえた東洋の
知識が,人々を動かし,イスラムからつたわった天体
観測器や
羅針盤のほか,
火砲による
武力が,
航海と進出を
可能にした。
〔インド洋への航路〕
ポルトガルでは15
世紀初めから,ヘンリー(エンリケ)
航海王子がアフリカ
沿岸に
探検隊を
派遣,1488年バーソロミュー=ディアスが
喜望峰まで,1498年にバスコ=ダ=ガマがインドまで
到達。ガマがもちかえった
香辛料は,
航海費用の60倍の
利益をあげた。
〔大西洋を西へ〕
イタリアのコロンブスは地球球形
説を
信じ,西まわりでインドへ行くことを考え,スペイン女王の
援助をうけて大西洋を
横断,1492年アメリカの西インド
諸島に
達した。スペイン王の命をうけたマゼランの
艦隊は,1519年から1522年までかかって地球を1
周した。
〔新航路の開拓の影響〕
(1)ヨーロッパ人は,アメリカ
大陸の文明をほろぼしたほか,
武力を
背景にアフリカやアジア
各地に商業
根拠地をつくり,きそって
植民地を広げていった。
(2)ヨーロッパの地中海
沿岸にかわって,大西洋岸の
諸国が
繁栄にむかった。
(3)アメリカ
大陸からの銀がものの
値段をあげたため,
封建貴族が
没落し,商工業者が
成長した。