奈良県明日香村にある円墳(高さ5m,直径23m)。1972(昭和47)年3月に発掘調査が行われ,石室の壁や天井に色あざやかな絵が発見されて注目を集めた。西壁の男子像と白虎や月,東壁の婦人像,青竜と太陽,北壁の玄武,天井の星宿など,いずれも7〜8世紀ごろの貴族文化を知るうえで貴重な遺品である。唐・新羅・高句麗の文化との密接な関連が指摘されている。特別史跡,壁画は国宝。◇近年,古墳内のカビの発生,雨水の侵入などによる壁画の退色や変色などが明らかとなり,2006年石室の解体修理を開始,2007年6月壁画の壁石はすべて修理施設に移された。10年間かけて修理した後,もとの古墳にもどされる予定。