(1924〜2010)昭和時代を代表する映画女優。北海道生まれ。養父母に育てられる。養父母の意向のままに1929(昭和4)年,映画『母』で子役デビュー,天才子役といわれ大人気を博し,37(昭和12)年まで子役として活躍,そのため小学校を卒業することはできなかった。37年に映画会社を松竹から東宝に移籍,38年の『綴方教室』,41年の『馬』で本格的な女優としてスタートする。1951(昭和26)年,日本初のフルカラー作品『カルメン故郷に帰る』に主演,以降,『二十四の瞳』(54年)『浮雲』(55年)『喜びも悲しみも幾歳月』(57年)などに主演。かれんな容貌と素直な演技,強さと優しさをもつ女優として名監督木下恵介,成瀬巳喜男が好んで使い,また多くの文化人にも愛された。1963(昭和38年)以降はテレビドラマにも出演した。79(昭和54)年に女優を引退,その後はエッセイストとして活躍した。著書に『わたしの渡世日記』などがある。