(1653〜1724)江戸時代前期の浄瑠璃・歌舞伎脚本作者。本名杉森信盛。越前藩士の子として生まれ,京都で育つ。20歳のころから浄瑠璃を書きはじめ,当時のすぐれた浄瑠璃語り竹本義太夫のために多くの傑作を書いた。また,歌舞伎役者の坂田藤十郎のためにもすぐれた脚本をのこした。作品は,歴史や伝説を材料にした時代物と,町人生活を題材とした世話物とに分けられる。『曽根崎心中』『心中天網島』『女殺油地獄』『国性爺合戦』などが代表作である。◇芭蕉・西鶴とともに元禄時代の3大作家の1人。
コーチ
とくに世話物では,
封建社会の中で
義理と
人情にしばられた人々の
苦悩や
愛情のからみあいをえがいて,当時の人々の心をとらえた。