ちくまがわのスケッチ【千曲川のスケッチ】 島崎藤村(しまざきとうそん)が,長野(ながの)県小諸義塾(こもろぎじゅく)の教師(きょうし)をしていたときに書いた感想集。のち,1912(大正1)年に刊行(かんこう)。春夏秋冬の移(うつ)りかわりを追いながら,千曲(ちくま)川流域(りゅういき)に住む人々のきびしい生活や,周辺(しゅうへん)の自然(しぜん)の風物を細かく観察(かんさつ)し,スケッチしたもの。詩人としての藤村(とうそん)が,それまでの叙情的(じょじょうてき)な傾向(けいこう)から小説(しょうせつ)家藤村(とうそん)に転ずるきっかけになった。