(1948〜2010)昭和・平成時代の劇作家・演出家。福岡県に在日2世として生まれる。大韓民国国籍で本名は金峰雄(キム・ボンウン)。大学を中退して予備校教師をしていたとき生徒の依頼で戯曲を書いたことから演劇の世界に入る。早稲田大学の学生劇団に参加し,戯曲「初級革命講座飛龍伝」を書き,上演。1973(昭和48)年,執筆・上演した「熱海殺人事件」で岸田戯曲賞を受賞。74年に劇団「つかこうへい事務所」を設立,「蒲田行進曲」など自作の戯曲をつぎつぎと上演し,70〜80年代「つかブーム」をまきおこした。独特の「口立て」という演出で台本はそのつど変わり,つか演出のもとで鍛えられた実力派の俳優が多く育った。82年には小説『蒲田行進曲』で直木賞を受賞。90年代には東京都北区,大分市といった地方自治体と協力した劇団活動を行い,演劇の普及,演劇人の養成にも力をそそいだ。