つち【土<作品>】 長塚節(ながつかたかし)の長編小説(ちょうへんしょうせつ)。1910(明治(めいじ)43)年発表。鬼怒(きぬ)川ぞいの農村を舞台(ぶたい)に,貧農(ひんのう)の勘次(かんじ)一家の生活があざやかにえがかれている。自然(しぜん)の風物や季節(きせつ)のうつりかわり,小作農のまずしい生活や年中行事など,写生文の手法(しゅほう)による細密(さいみつ)な描写(びょうしゃ)がみごとである。農民(のうみん)文学の傑作(けっさく)。