(1859〜1935)明治・大正時代の文学者・英文学者。岐阜県に生まれる。1885(明治18)年に『小説神髄』を発表し,写実主義の文学理論を説いて注目された。この理論を実践したのが小説『当世書生気質』である。のち,島村抱月と演劇の革新運動をおこし,イプセンなどの西洋の劇を上演,自分も『桐一葉』などの戯曲を書いた。晩年はシェークスピアの作品の翻訳にうちこみ,『シェークスピア全集』を完成,また,早稲田大学の教授としてその発展につくした。◇坪内逍遙はスコットの『湖上の美人』を『春窓綺話』,シェークスピアの『ジュリアス=シーザー』を『自由太刀余波鋭鋒』の題名で翻訳した。